日本大学通信教育部・商学部・商業学科
教職課程レポート

科目「会計学」

課題「減価償却の意義、方法について説明し
なさい」

評価「合格」
「本問のポイントをよくまとめられていると
思います・・・と書いてあった。解答のポイ
ントを印刷した紙が貼ってあって、ABCの
評価は書かれていなかった」

参考文献「なし。会計学の教科書をまとめた
だけ」

 土地や建設仮勘定を除く有形固定資産の原
価の減少額を、各会計期間の費用として規則
的に配分していくことを減価償却という。
 それらの有形固定資産は、その使用や時の
経過によって価値が徐々に減少する。したが
ってそれらが長期にわたって使用される場合
には、各会計期間ごとに徐々に価値が減小す
ることとなる。その減少額を各会計期間の収
益に貢献したものとして、それぞれの期間の
費用として計上することが「適正な」期間損
益計算の立場から求められる。なぜならこの
ような有形固定資産の取得価額を、取得時や
除却時、売却時などの特定会計期間のみに費
用として計上した場合、その期間の利益は極
端に減少し、またその他の期間の利益が極端
に増加することとなるのである。
 実際に減価償却計算を行うには、まず償却
基礎価額、償却基準、残存価額を決定する必
要がある。
@償却基礎価額
 有形固定資産の取得原価である。
A償却基準
 一般に耐用年数のことをいい、有形固定資
産の使用可能な期間のことである。これは税
法により資産項目別に規定されている。
B残存価額
 有形固定資産が使用できなくなった時の予
想処分価額のことである。税法は取得原価の
10%と定めているが、耐用年数経過後にまだ
使用可能な場合には、さらに5%まで可能で
ある。
 上記のようにして各要素を決定したあと、
さらに減価償却の計算方法を決定する必要が
ある。企業会計原則では定額法、定率法、級
数法、生産高比例法の4つを規定している。
@定額法
 耐用年数の全期間にわたって一定額を計上
する方法である。計算方法は下記のようにな
る。
毎期の減価償却費=(取得原価−残存価額)
÷耐用年数
 毎期の償却額が一定になるので、時間的な
経過により、その性能や能力の変化が少ない
有形固定資産の償却に適している。
A定率法
 耐用年数の全期間にわたり一定率で減価償
却費を計上する方法である。計算方法は下記
のようになる。
毎期の減価償却費=未償却残高×償却率
 なお償却率の計算方法は下記のようになる。

 この方法では初期の償却額が大きく、後に
なるほど少なくなるので、時間的な経過によ
り性能や能力の変化が激しく、修繕や保守の
費用が増加する傾向にある有形固定資産の償
却に適している。
B級数法
 定率法の簡便版である。計算方法は下記の
ようになる。
毎期の減価償却費=(取得原価−残存価額)
×償却率
 ただし償却率は、初年度は耐用年数÷耐用
年数の算術級数和、次年度は(耐用年数−1)
÷耐用年数の算術級数和のように毎期変化し
ていく。例えば耐用年数が6年であれば初年
度の償却率は6/21、次年度は5/21となる。し
たがって初期の償却額が大きく、後になるほ
ど少なくなるので、定率法のように時間的な
経過により性能や能力の変化が激しく、修繕
や保守の費用が増加する傾向にある有形固定
資産の償却に適している。ただし定率法と比
べて初期の償却額がやや少ない。
C生産高比例法
 定額法や定率法、級数法が期間を配分基準
とした計算方法であったのに対して、生産高
比例法は生産高を配分基準とした方法である。
 これは鉱山や山林など、あらかじめ総生産
量が予測できる場合に用いられる。計算方法
は下記のようになる。
毎期の減価償却費=(取得原価−残存価額)
×(当該期間の実際の生産量÷予定総生産量)
 以上のようにして求められた減価償却費の
記帳方法には直接法と間接法がある。直接法
は固定資産勘定から減価償却費を直接控除す
る方法であり、間接法は減価償却累計額勘定
を設定して、間接的に償却費を控除する方法
である。間接法は償却資産の取得原価が明示
されるので、一般に間接法が採用される。