日本大学通信教育部・商学部・商業学科
教職課程レポート

科目「マーケティング」

課題「マーケティング戦略の形態について説
明せよ」

評価「表現力・解釈の妥当性(合格)」
「全体的によく書かれています。戦略そのも
のについても、もう少し詳しく述べて欲しか
ったと思います」なんて書いてあった。

参考文献「なし。マーケティングの教科書を
まとめただけ」

 マーケティング戦略とは、競争状況に対し
て、より有利に対応するために、企業全体の
見地から、一定期間にわたる基本的な方向づ
けであるといえる。したがってマーケティン
グ戦略とは、大局的、創造的、競争的、長期
的、統合的な性格を持つ。マーケティング戦
略の形態には下記のようなものがある。
1、製品ライフサイクル戦略
 製品ライフサイクルとは、製品が市場に投
入され、最後に姿を消すまでの課程をさす。
 その課程の各段階において、需要動向や競
争状況などの商品の特性が異なる。したがっ
て、その各段階において、適切なマーケティ
ングミックスの展開を行うことが望まれる。
 これを製品ライフサイクル戦略という。
@導入期
 新製品が市場に導入された段階である。し
たがって消費者への認知度に乏しく、プロモ
ーション的な活動が重要になる。価格は高め
に設定されるのが普通であるが、売上はまだ
少なく、販売促進費や生産費がかかるため、
利益は上がりにくい。
A成長期
 市場の需要が急速に伸び、後発企業の参入
が目立つ段階である。そのため先発企業とし
てのブランドイメージの確立が必要である。
 また大量生産による価格引き下げにより、
後発企業の進出を防ぐことも必要である。こ
の段階の終わりには最高の利益率を上げられ
る。
B競争期
 需要がさらに伸び、後発企業も増加して、
市場での競争が熾烈になる段階である。さら
なる価格の引き下げをはかり、直接に販売効
果をねらった広告を実施したり、プレミアム
販売や販売店へのリベートを強化したりする。
 これらの実施により、利益率は減少する。
C成熟期
 需要が頭打ち状態に達し、新規需要に多く
は望めなくなる段階である。そのため製品陳
腐化戦略や市場細分化戦略が有効となる。引
き続き利益率は低下する傾向にある。
D衰退期
 需要が下降の一途をたどる段階である。マ
ーケティング活動を行っても、効果はほとん
どなく、利益もほとん出ない状態になるので、
生産を打ち切るタイミングが問題である。
2、製品差別化戦略
 自社製品と他社製品とを比較し、自社製品
の優位性を強調して市場での需要を喚起する
方策である。
@実質的製品差別化戦略
 製品本来の機能、品質、性能について他社
製品との優位性を強調する方策である。
A形式的製品差別化戦略
 製品の外観上の差異に基づいて、他社製品
との優位性を強調する方策である。
B観念的製品差別化戦略
 他社製品と著しい差異があるかのようなイ
メージを消費者に印象づけて、他社製品との
優位性を強調する方策である。
3、市場細分化戦略
 全体の市場を対象とするのではなく、消費
者の需要特性に基づいて、いくつかの異質な
市場に区分し、その特定の部分市場に対して
需要を喚起する方策である。
 すなわち地域別、都市別、年齢別、性別、
所得別などの基準に基づき、目標とする市場
を細分化し、もっとも有望な部分市場を選び、
それによりよく適合したマーケティング活動
を行う方策である。
4、商品陳腐化戦略
 消費者に対し、現に使用している製品につ
いて「劣っている」「使用上の不都合がある」
「古臭い」といった感情を抱かせることによ
り、買替需要を喚起させる方策である。
@機能的商品陳腐化戦略
 技術的に改良され、よりよい機能を付加し
た製品を投入することにより、新たな製品を
購入させる方策である。
A物理的商品陳腐化戦略
 高度な技術をあえて使用しない、製品の品
質を低下させる、消耗度の高い部品を使用す
るなどにより、製品の使用可能期間をあえて
短くして、新たな製品を購入させる方策であ
る。
B心理的商品陳腐化戦略
 スタイル、カラー、デザインなどを変更し
た製品を投入し、従来製品を「旧式」「流行
遅れ」と感じさせることにより、新たな製品
を購入させる方策である。