日本大学通信教育部・商学部・商業学科
教職課程レポート

科目「マーケティング」

課題「価格政策の戦略的意義と価格決定方式
について述べよ」

評価「表現力・解釈の妥当性(合格)」
「全体的によく書かれています。戦略につい
てはその意味をもう少し詳しく述べて欲しか
ったと思います」なんて書いてあった。

参考文献「なし。マーケティングの教科書を
まとめただけ」

1、価格政策の戦略的意義
 価格政策は、製品計画、販売促進、販売経
路などの諸活動とは異なり、企業の諸目標を
達成するための直接的な手段である。なぜな
ら価格政策いかんによっては、企業の利潤、
収益率、市場占有率が大きく左右されるから
である。
 価格政策の諸目標には最大利潤の獲得、目
標収益率の確保、市場占有率の維持・拡大が
あげられる。
 最大利潤の獲得については、価格と消費者
の購買意欲のかねあいから、利潤が最大とな
る価格を決定すればよいのであるが、現実に
は競争他企業の参入や代替品の出現により、
長期的な採用が困難である。
 目標収益率の確保については、原価に一定
の収益率を加算して価格を決定すればよいの
であるが、他企業との競争や利潤獲得に対す
る配慮に乏しい点がある。
 市場占有率の維持・拡大については、他企
業との競争に重点を置いた価格を決定すれば
よいのであり、またそれが最終的な利潤の獲
得に結びつくのであるが、原価との関連が希
薄となる。
 したがって企業の維持・発展をはかるうえ
から、これらの諸目標を勘案した慎重な価格
政策が必要となる。
2、価格決定方式
(1)完全価格決定法
 これは企業が自主的に価格を決定する方法
である。
@原価加算法
 原価に一定率のマージンを加算して価格を
決定する方法である。価格決定要因を原価に
求めるので、競争企業の動向や需要変動に柔
軟性を持たない欠点がある。競争の少ない比
較的安定した市場に有効である。
A変動マークアップ方式
 原価加算法の特殊な方法であり、新製品導
入や新規参入、景気変動などにより利益率や
利益額(マークアップ)を変動させる方法で
ある。マークアップの変動幅決定の合理性が
難しく、また適正価格や適正利潤の確保とい
った価格政策目標が見失われやすい。
B限界分析による価格決定
 価格と需要量との関係を示す需要曲線と、
販売量と諸費用の関係を示す費用曲線を求め、
さらにそこから限界収入曲線と限界費用曲線
を求めて、限界収入=限界費用となる点で利
益が最大となることを利用し価格を決定する
方法である。ただしそれらの曲線を正確に決
定する困難さが伴い、理想的・理論的に過ぎ
る方法である。
C実験法
 実験的に一定の地域でさまざまな価格をつ
けて販売を行い、最適な価格を見つけだして
その価格を全体の市場に適用する方法である。
実験結果が現実に再現可能な市場において有
効な方法である。
D調査法
 消費者に対してさまざまな調査を行い、そ
の結果に基づいて価格を決定する方法である。
非常に合理的な方法であるが、費用や時間が
かかりすぎたり、また調査結果と実際の購買
行動が必ずしも一致しないケースもある。
E直観法
 過去や将来の動向を勘案したうえで、価格
決定者の主観によって決定する方法である。
 価格決定者のもつ情報が適正であれば、有
効な方法である。
(2)不完全価格決定法
 他企業の動向に基づいて価格を決定する方
法である。
@価格維持
 競争他企業との報復を回避するために、過
去の価格を踏襲する方法である。競争市場下
で行われると市場から排除されるおそれがあ
る。
A模倣・追随価格政策
 競争他企業が決定した価格を踏襲したり模
倣したりして、それに類した価格に決定する
方法である。すなわち新製品投入に際し、競
争他企業の類似製品の価格に合わせたり、競
争他企業が価格の引き下げや引き上げを行っ
た場合に、それに追随して価格を変更するな
どである。単に価格面での模倣や追随を行う
だけである場合には、収益性や成長性に問題
を生じるおそれがある。
(3)価格種目決定法
 製品の価格を一つに限定せず、購買力のラ
ンク別に一定の価格範囲を決めて、いくつか
の価格ラインに整理する方法である。例えば
高級向、中級向、低級向にラインを決定し、
それぞれに価格を決定するものである。購買
者の要求に合致した価格の種類の発見が必要
となり、またそれらに合致しない価格につい
ては、整理をすることが必要になる。