日本女子大学・家政学部通信教育課程・食物学科
教職課程リポート

科目「家庭管理概論」

課題「テキストの第32表を参考として、家庭責任の共同化を前提とした標準的生活知識・技術に関し、基本的な考察をしなさい」

評価「(合格)」

参考文献「家庭管理概論の教科書の該当箇所を2000字以内に収まるように丸写ししただけ」

1.収入と支出
 家庭生活においてどのような収入が予想されるのかということを経年的な観点から明確にする。その際考慮するのは、労働による収入については父だけに期待できるのか、あるいは母や子供にも期待できるのかといったことである。またそれぞれの収入源から期待できる収入額も予想しておく。労働によらない年金などの収入についても考慮する。
 さらに生活設計において、どのような支出が予測されるのかということを経年的な観点から明確にする。その際、収入から引かれる税・年金・保険の額や性格についても理解する。

2.平等と協力
 家庭生活が夫婦や親子の協力によって成立するという前提に立って、なぜ協力が必要なのか、どういう段階でだれがだれを援助しなければならないのかということを理解する。また男女の性による区別と、性による差別の違いを理解する。

3.衣食住
a.食事−生命や健康や維持し、成長を促すための栄養素について理解し、それらを摂取する食事の意味を考え、その食事を作る知識や技術を身につける。
 (1)栄養素−生命や健康や維持し、成長を促すための栄養素の意味や働きについて理解する。
 (2)食品−栄養素がいかなる食品にどれほど含まれているのかを理解する。
 (3)摂取量−必要な栄養素を摂取するには、だれが何をどれくらい摂取すればよいのかを理解する。
 (4)バランス−各栄養素をバランス良く摂取する方法を身につける。
 (5)調理法−栄養素を効率良く摂取でき、見た目にも食欲をそそり、食べても美味しい調理法を身につける。
 (6)衛生−食材や食品の保管、賞味期限、衛生管理などの知識を身につける。また廃棄の仕方によって環境に与える影響についても理解する。
 (7)生産・流通−食品の生産課程を理解し、栄養面、安全面からの判断ができるような知識を身につける。またその流通や販売について、鮮度、価格などについて判断できる知識を身につける。
b.衣料−季節、生活局面、着用者の年齢や地位・身分による衣服着用の意味を理解し、その選択や保守・衛生などに関する知識や技術を身につける。
 (1)被服の種類−着用者の生活に応じた被服の種類を選択できる知識を身につける。
 (2)被服の性能−保温性、吸湿性、通気性、耐久性などの被服の持つ性能を理解したうえで、求められる性能を満足させる製品を購入できる能力を身につける。
 (3)洗濯・補修−被服の衛生を維持するための適切な洗濯の知識や技術と、破損に対しある程度の補修ができるような知識や技術を身につける。
c.住居−住宅の機能と住環境について理解し、快適な住環境を維持できる能力を身につける。
 (1)社会的な住宅状況−土地問題や住宅問題について政策的な面から理解し、過去から現在までの変化をふまえた上で将来的な展望を持てるようにする。
 (2)住宅の空間的構成−家族が快適に暮らすのに必要な間取りの構成が判断できるようにする。その際、家族構成の変化も考慮し将来的な視点からも考えられるようにする。
 (3)住宅の性能−耐火性、耐震性、断熱性、静粛性などの性能面から住宅を評価できるようにする。
 (4)維持・補修−住宅の性能を維持・補修できる能力を身につける。
 (5)周辺環境−住宅の周辺に生活を維持するのに必要な環境が整っているかを判断できるようにする。逆に生活を悪化させる状況がないか判断できるようにする。

4.子供の育児や教育
 子供の育児や教育は親としての責任であり、その能力が親に求められることは当然である。
a.子供の権利−子供は無制限な親の所有物ではなく、法によって社会的に保護されていることを知る。
b.家族計画−親や子供が、将来的に衣食住や教育面で十分な生活を維持できるようにするための家族計画の重要性を理解する。
c.男女の協力−子供の育児や教育について、父親と母親が共同であたるべき事柄と、父親と母親がそれぞれの特性からみて分担してあたるべき事柄を理解する。
d.妊娠・出産−生物的、経済的にみた妊娠や出産にまつわる知識を理解する。
e.乳幼児の特性−人として発展途上である乳幼児の特性を知り、それぞれの時期に応じた育児や教育の対応の仕方を理解する。
f.子供の自立−子供の成長段階に応じて必要とされる、精神的・行動的な自立を身につけるよう援助する。
g.社会的な適応−子供が集団に適応し、そこでの存在位置を確保できるようにする能力を身につけさせる。

5.老親とのかかわり
 親子という自然情愛的なかかわり、経済的な援助や扶養・相続などのかかわり、あるいは人生や生活の助言者としてのかかわりなど、老親とのかかわりは家庭を構える以上避けて通れない。したがって、その関係を円満に結ぶ能力が求められる。

6.精神的諸能力の研鑚
 人間は年齢や立場や地位、あるいは社会の変化や進歩によって、新たな知識や技術が必要とされるようになる。したがって継続的にそれらの能力の獲得をめざすという能力が必要になる。

7.社会や地域とのかかわり
 日々の生活には否応なく近隣との人間関係が生じる。また各家庭だけでは解決できない、地域や社会全体に関わる問題も生じる。そのような場合に、地域や社会と関わっていける能力、およびそこで求められる役割を果たせる能力が必要になる。