日本女子大学・家政学部通信教育課程・食物学科
教職課程リポート

科目「家庭科教育法II」

課題「学習指導要領を読み、ある単元についてとりあげ、その単元での現代の生活課題を明らかにし、家庭科教育との関連を論述しなさい」

評価「(合格) コメントまったくなし・・・結構投げやり」

参考文献「家庭科教育法IIの教科書と学習指導要領」

とりあげた単元・・・「家庭総合」の「消費生活と資源・環境」

ア「消費行動と意思決定」
生活課題
 商品を購入し消費することは、個人の自由裁量にゆだねられた行為である。だれが何を買おうと、それは他人がとやかく口出しをすることではない。しかしながら、せっかくの購入が後になって後悔の種となるような選択は避けるべきであり、そこには賢明な選択方法というものがあるべきである。そこで、商品を購入する際の購入動機、商品に関する情報収集、問題点、購入後の評価などの意思決定のプロセスを理解し、それぞれの段階で商品の購入について綿密な検討を加えたのち購入に至るという態度が必要となる。それによって、さして必要でもない商品を購入し結局ほとんど使用しない、あるは使い捨てる、経済的に破綻をきたすといった問題を避けられることとなる。また無駄な出費を押さえ、資源の浪費を避けることも可能になる。
家庭科教育との関連
 各家庭でも「無駄づかいをしてはいけない」「よく考えてから買う」などの指導は行われているここと思う。しかしながらその指導は、生徒が経済的に家庭に依存している関係上「無駄な出費はしない」という極めて狭い家計上の理由を元にされがちである。また、生徒が自由にできる金額にもおのずと上限があるため、商品購入に関する問題が顕在化しにくいと思われる。
 したがって生徒が社会人になって収入を得た途端、衝動的あるいは無検討に商品を買い求め、結果的に種々の問題に直面する事態が起こりうる。そこで家庭科では単なる「お金の使い方」ではなく、さらに広い見地から意思決定のプロセスをとらえ、賢明な消費者としての態度を養う必要がある。

イ「家庭の経済生活」
生活課題
 経済に関連した学習というと、社会科や商業科があてはまるように考えられがちである。しかしながら、日々の生活を営む上での家庭経済は、政府や企業と共に国民経済を構成する一要素としての性格をもち、その収支は政府や企業と密接に関連している。したがって、家庭経済は国民経済という大きな流れの中で理解することが望まれる。
 また家庭経済を収入と支出の面からとらえた場合、生涯にわたって生活を維持・発展させてゆくのには、長期的な計画性をもった家計管理が必要である。
家庭科教育との関連
 生徒は家庭において家計収支などの問題には関与していないのが普通である。両親も生徒に対してそのような役割を望むことはないといえる。すなわち家庭経済という面から見れば、生徒はまったく無知な状態であるといってよい。しかしながらそれをそのまま放置することは、将来自立して生活を営んでゆくことに関して非常な危険をもつことになる。そこで家庭科において、それらに関する知識を身につける必要がある。

ウ「消費者の権利と責任」
生活課題
 消費者は商品を購入する際、商品だけに注目して選んでいるのが通常であろう。しかしながらその商品の背景には、生産・販売・利用・廃棄というプロセスで種々の問題をかかえていることを知らなければならない。
 また、消費者の権利と責任についても知らなければならない。消費者は商品の製造や提供に関してはまったく無知であり、生産者による欺瞞的な行為に対しては無力な場合が多い。そのような消費者が、どのような方法で保護されているのかを知る必要がある。さらに、自ら意識して適切な商品の選択を行うことを求められるのが、消費者としての義務であることも知る必要がある。そのうえで、上記の各内容の実現のために積極的に情報を収集して選択する態度も求められる。
家庭科教育との関連
 消費者は商品を最終的に使用するのであるから、その商品に不具合があった場合、当然のこととして苦情を訴え、その改善を求める権利をもつ。しかしながら、日常においてそういった問題にすべての生徒が直面しているわけではないから、いざという時に対処の仕方に困ることが考えられる。また、将来にわたってそれらの問題に絶対に直面しないとはいい切れないのであるから、知らないで過ごすわけにはいかない。さらに、権利の主張の裏には義務がともなうのが通常である。したがって、消費者として主張しうる権利と負わなければならない義務について、家庭科として学習することが必要になる。

エ「消費行動と資源・環境」
生活課題
 日常何気なく商品を購入して利用・消費するという行為は、きわめてありふれたものであり、またそれなくしては生活が成り立たない。しかしながら、商品の生産には人的・物的な資源を必要とし、それは有限である。その生産と利用と廃棄にあたっては、環境に少なからぬ悪影響を及ぼすことがある。このように消費行動が「有限である資源の消費」と「環境への悪影響」を根源的にはらんでいることを認識し、その中でどのような消費生活をおくることが賢明であるかを理解しなければならない。
家庭科教育との関連
 現代は「省資源」「省エネ」「環境にやさしい」などのフレーズが、何の違和感もなく、また目新しさもなく日々の生活に散見される。したがって、生徒や家庭もその意味は理解しているはずである。しかしながら、その知見が身近な生活に限定され、近視眼的な立場からの認識に終わっている可能性がある。
 そこで家庭科では、資源・環境問題について近隣環境のみならず、国内全域、さらには国際的な見地に立った認識を深めさせなければならない。